日本煉瓦工場(読み)にほんれんがこうじょう

百科事典マイペディア 「日本煉瓦工場」の意味・わかりやすい解説

日本煉瓦工場【にほんれんがこうじょう】

1887年,現在の埼玉県深谷市上敷免(じょうしきめん)に渋沢栄一らによって設立された日本最初の洋式煉瓦工場。ドイツ人技師ベックマンらが建設予定地の調査を行い,利根川流域から良質の粘土が採集できることからこの地に建設された。工場はドイツ製の最新設備を備え,製造された煉瓦は日本銀行東宮(とうぐう)御所赤坂離宮警視庁・東京駅などの煉瓦建築物に使用されている。
→関連項目深谷[駅]

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世界大百科事典(旧版)内の日本煉瓦工場の言及

【埼玉[県]】より

…高崎線と東北本線の分岐点となった大宮に,1894年日本鉄道大宮工場が建設され,1901年には日本最初の蒸気機関車が製造された。1900年大里郡明戸村(現,深谷市)に機械製では全国初の日本煉瓦工場が設立され,ここで生産された煉瓦は碓氷(うすい)トンネルなどの鉄道施設や,赤坂離宮や東京駅など多くの建物にも使用された。日露戦争後から大規模な製糸工場が増え,大正末には武甲(ぶこう)山の石灰岩を原料として秩父セメント(現,秩父小野田)が現在の秩父市に開設されたが,第2次大戦前までは,海に臨まないために京浜,京葉地域に比べて工業化の進展が遅れた。…

※「日本煉瓦工場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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