日華和平工作(読み)にっかわへいこうさく

山川 日本史小辞典 改訂新版 「日華和平工作」の解説

日華和平工作
にっかわへいこうさく

日中戦争のほぼ全期間を通じて行われた日中間の和平工作。盧溝橋(ろこうきょう)事件直後,日本政府は元外交官の船津辰一郎を介して,大幅な譲歩を含む和平条件を提示しようとしたが,第2次上海事変勃発によって挫折した。ついで第三国とくにドイツの和平仲介(トラウトマン和平工作)に期待がよせられたが,南京陥落後和平条件が加重され,打ち切られた。局面打開の機会は宇垣孔祥熙(こうしょうき)工作にゆだねられた。工作の失敗後,交渉は正式な外交ルートを外れ,汪兆銘(おうちょうめい)工作によって汪政権が成立して,桐工作・銭永銘(せんえいめい)工作などすべて挫折した。以後の和平工作は,戦争末期の終戦工作として繆斌(みょうひん)工作が行われたにすぎなかった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日華和平工作」の意味・わかりやすい解説

日華和平工作
にっかわへいこうさく

トラウトマン工作」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android