日野三所権現(読み)ひのさんしよごんげん

日本歴史地名大系 「日野三所権現」の解説

日野三所権現
ひのさんしよごんげん

日野山頂に鎮座する。日野明神、日野三社権現とも称し、中の宮の本社と北社・南社があった。また日野山西山麓(旧南条郡側)中平吹なかひらぶき村と北西山麓(旧今立郡側)荒谷あらたに村に各々下宮があった。祭神については諸書一定せず、「足羽社記略」は「天皇(継体)子安閑・宣化二帝神霊鎮坐ナリ、延喜式云兄子神社」と記し、「越前国名蹟考」は「味真野名跡志」を引いて、安閑・宣化・継体三天皇を祀るとする。「越前国名勝志」は「養老ノ頃泰澄大師開キ給フ、彫作観音・文殊・不動」と記す。古来国主・領主の崇敬が厚かったと伝え、慶長五年(一六〇〇)府中ふちゆう(現福井県武生市)城主堀尾帯刀から中平吹内一〇石が、同八年には改めて福井藩主結城秀康から同村内三〇石が三所権現に寄進され、以降代々の藩主に受継がれた(中平吹日野神社文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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