(読み)キュウ

デジタル大辞泉 「旧」の意味・読み・例文・類語

きゅう【旧〔舊〕】[漢字項目]

[音]キュウ(キウ)(漢) ク(慣) [訓]ふるい もと
学習漢字]5年
現在まで年月を経てきている。昔からの。「旧家旧式旧態旧弊新旧
年が改まる前の。「旧冬旧年旧臘きゅうろう
以前の状態。もと。「旧姓懐旧守旧倍旧復旧
昔なじみ。「旧知故旧
陰暦。「旧盆旧正月
[名のり]ひさ・ふさ・ふる

きゅう〔キウ〕【旧】

古いこと。古い物事。「を捨て新につく」⇔
昔。以前。もと。「に倍するお引き立て」「に復する」
旧暦」の略。「正月」⇔
名詞に付いて接頭語的に用い、古い、もとの、かつての、などの意を表す。「制度」「街道」「ソ連」
[類語]まえぜん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「旧」の意味・読み・例文・類語

もと【旧・故・元】

  1. [ 1 ] ( 「もと(本)」と同語源 )
    1. むかし。以前。はじめ。さき。
      1. [初出の実例]「この箱を 開きて見てば 本(もと)の如 家はあらむと」(出典万葉集(8C後)九・一七四〇)
      2. 「内には、もとの淑景舎を御曹子にて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
    2. 本来。元来。
      1. [初出の実例]「もとこれは、同じ水なれども、入れたる、器の形ちに由て、円き形ちと、四角なる形ちの水と、なれり」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉二)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 地位身分役職を示す名詞の上について、以前にその位置にいたことを表わす。特に、直前の身分などについては「前(ぜん)」を冠するのに対し、それ以前の経歴を示すのに用いる。「元首相」「元教授」

きゅうキウ【旧】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 古いこと。古い物事。また、古い時。以前の時。昔。もと。⇔
    1. [初出の実例]「山口と云ふ今宿を過れば路は旧に依て通せり」(出典:海道記(1223頃)池田より菊川)
    2. 「後又、元を殪(たふ)して旧に復し」(出典:文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉一)
    3. [その他の文献]〔書経‐盤庚・上〕
  3. きゅうれき(旧暦)」の略。
    1. [初出の実例]「此の十五日は旧(キウ)の正月だから」(出典:永日小品(1909)〈夏目漱石火鉢)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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