明官地廃寺跡(読み)みようかんちはいじあと

日本歴史地名大系 「明官地廃寺跡」の解説

明官地廃寺跡
みようかんちはいじあと

[現在地名]吉田町中馬

可愛えの川の支流あぶら川によって形成された小さな谷に突出した低丘陵上、標高約二四〇メートルに位置する奈良時代の寺院跡。東南方前面に吉田盆地を望む。寺跡は背後に山をひかえた東向きの緩傾斜面上にあり、現在水田となっているが、東西約五〇メートル・南北約一〇〇メートルの平坦面ならびにその周囲一帯から古瓦が採集された。うち軒丸瓦は子葉の周辺に火炎文をつけた単弁と素弁を交互に配した八弁の素単混弁蓮華文瓦と、子葉の中にV字状の細線を入れた八弁の単弁蓮華文瓦のいわゆる山田寺式とよばれる二種類で、奈良時代初期(七世紀中頃)のものとされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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