春秋五覇(読み)しゅんじゅうごは

日本大百科全書(ニッポニカ) 「春秋五覇」の意味・わかりやすい解説

春秋五覇
しゅんじゅうごは

中国、春秋時代の代表的な5人の覇者をいう。覇者とは、諸侯間の同盟の盟主たる人物をいい、会盟という同盟締結の儀式を主宰することによって、盟約の対象である神の権威を借りて諸侯に対する覇権を握った者をさす。まず斉(せい)の桓公(かんこう)(在位前685~前643)が紀元前651年葵丘(ききゅう)(現在の河南省商丘市付近)の会で覇者となり、次に晋(しん)の文公(ぶんこう)(在位前636~前628)が前632年践土(せんど)(現在の河南省原陽県付近)の会で覇権を握った。この2人と、以後の楚(そ)の荘王(そうおう)(在位前613~前591)、呉(ご)王闔閭(こうりょ)(在位前514~前496)、越(えつ)王勾践(こうせん)(在位前496~前465)の3人とあわせて五覇という。ただし、呉王、越王にかえて秦(しん)の穆公(ぼくこう)(在位前660~前621)、宋(そう)の襄公(じょうこう)(在位前651~前637)を入れる説、および楚の荘王にかえて呉王夫差(ふさ)(在位前495~前473)を入れる説もある。

[太田幸男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android