是・此(読み)こ

精選版 日本国語大辞典 「是・此」の意味・読み・例文・類語

こ【是・此】

〘代名〙 事物や場所について、話し手の側、すなわち「相手に対するわれ」「相手を含めたわれわれ」の側に属するものとしてさし示す(近称)。これ。この。
眼前の、また話題の事物をさし示す。
古事記(712)中・歌謡「許(コ)の御酒(みき)は 我が御酒ならず」
源氏(1001‐14頃)帚木「うきふしを心ひとつにかぞへきてこや君が手をわかるべき折り」
② 場所をさし示す(近称)。ここ。
万葉(8C後)一八・四〇五四「ほととぎす許(コ)よ鳴き渡れ燈火を月夜(つくよ)になそへその影も見む」
[補注]古くは「この」のほか、「こは」「こを」など助詞とともに用いられたが、後世はもっぱら「この」の形で連体詞として使われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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