時による(読み)ときによる

精選版 日本国語大辞典 「時による」の意味・読み・例文・類語

とき【時】 に よる

  1. ( 時勢時流にたよる意から ) 当代権勢ある方にへつらいつく。時の勢力を頼む。時流に従う。
    1. [初出の実例]「世の人も時による心ありてにや、さし向ひたる御方方には心をつくし聞えわび」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅梅)
  2. 自己の権勢をたのむ。権勢にまかせてふるまう。
    1. [初出の実例]「時により心おこりして、さやうなる事なん情けなき事なりける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
  3. 時流にふさわしいようにする。時節に適応する。
    1. [初出の実例]「ときによりたる物うちずんじなどばかりぞせさせ給」(出典:源氏物語(1001‐14頃)幻)
  4. その時々の状況に応じる。その場合、その場合に応じる。
    1. [初出の実例]「時によりすぐればたみのなげきなり八大龍王雨やめたまへ」(出典:金槐和歌集(1213)雑)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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