地域の景気の動きに敏感とされるスーパー店長や飲食店の従業員、タクシー運転手ら全国の約2千人を「景気ウオッチャー」として選び、3カ月前と比べた景気の現状や理由などを尋ねている。現場の生の声から、景況感を素早く把握する目的がある。内閣府が毎月下旬に調査し、翌月の初旬から中旬に公表する。指数が50を超えると景気が上向き、50未満なら下向きであることを示す。
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地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的に毎月行われている調査。内閣府が民間調査機関に委託して実施しており、「街角景気」ともよばれる。百貨店、スーパー、コンビニエンス・ストア、レストランのスタッフ、タクシー運転手といった家計動向関連を観察できる人、製造業・非製造業の経営者、スタッフなど企業動向関連に詳しい人、人材派遣会社のスタッフなど雇用動向関連に敏感な人など合計2050人に聞き取り調査を行い、その結果を指数化している。
調査は、北海道、東北、北関東、南関東、甲信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の12地域に分けて実施。景気の現状や先行きに対する判断を、水準と方向性の両面から聞き取りしている。水準については、「良い、やや良い、どちらとも言えない、やや悪い、悪い」のなかから、方向性については、「良くなっている、やや良くなっている、変わらない、やや悪くなっている、悪くなっている」のなかから各人の判断で選んでもらうとともに、その理由について回答を求めている。
そのうえで、良い(良くなっている)から順に「+1、+0.75、+0.5、+0.25、0」と得点化し、回答の構成比(%)を乗じてDI(ディフュージョン・インデックスdiffusion index)を算出している。景況感のよしあしの境は「50」となり、全員が良い(良くなっている)と答えればDIは100、全員が悪い(悪くなっている)と答えればDIは0となる。DIは、地域別および全国ベースで算出される。また、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連に分けて算出される。
景気ウォッチャー調査は毎月末の調査結果が翌月の10日前後に公表されるというように速報性が高い。なかでも家計動向関連のDIは、消費動向調査の指数と並んで、消費者マインド(心理)をとらえるデータとして注目されている。また、個々のウォッチャーの判断理由も公表されるため、判断の背景にあるものを知ることができる。一方で、毎月のぶれは小さくなく、基調的な動きをとらえるのがむずかしいという側面もある。
景気ウォッチャー調査は、2000年(平成12)1月から当時の経済企画庁(現、内閣府)が始めた。2000年1月は北海道、東北、東海、近畿、九州の5地域から始まり、同年2月には関東も加わった。2016年4月から関東の内訳として東京の別掲を始め、2017年10月から現行の地域区分になっている。
[飯塚信夫 2019年3月20日]
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(本庄真 大和総研監査役 / 2007年)
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