最小エネルギー消費の原理(英語表記)principle of minimum dissipation

法則の辞典 の解説

最小エネルギー消費の原理【principle of minimum dissipation】

エネルギー散逸の原理*ともいわれる.非可逆過程の熱力学において,熱力学的な力と,熱力学的な流量との間の線形な関係を与える変分原理である.

示量変数n 個あるとして,熱力学的な力を Fii=1,2,…,n),熱力学的流量を Jii=1,2,…,n)とすると,それらが十分小さい範囲においては

Ji=∑LijFj

あるいは

Fi=∑RijJj

という関係が成り立つ.ここで LijRij はどちらもオンサガーの相反定理*から導かれる.これらはエントロピー生成速度や他のいくつかの条件から導出可能であるが,この両式をよく「最小エネルギー消費の原理」または「エネルギー散逸極小の原理」と呼んでいる.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android