御用番とも。同一役職に複数の担当者が1カ月交代で勤務すること。江戸時代に一般的になり,とくに江戸幕府の老中以下の諸役人(町奉行・勘定奉行・寺社奉行ほか)に月番制がとられた。幕府老中以下の月番制は,1635年(寛永12)11月の職掌規定により整備される。老中の場合,国持大名の御用・訴訟などは,その月の当番の老中が受理・取次ぎを行うことになった。月番制は案件処理の能率化・合理化を目的としたものだが,重用な案件や単独で判断できないものについては,同役同士の内寄合や,評定所でほかの奉行と同席しての審議・処理にゆだねられるのを前提とした。1867年(慶応3)6月,幕府の月番制は廃止。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
… 老中の定員は4~5人で,先任者または家門など特別な家柄のものが老中首座として全体を統轄した。日常は江戸城中の御用部屋で,実務を担当する右筆(ゆうひつ)を指揮して政務を執るが,月番(つきばん)制になっており,大事は老中一同の連署で,小事は月番の老中1人の判によって執行された。日常的な命令の通達は老中から大目付に手渡される〈老中御書付(おかきつけ)(書付)〉などによって,諸大名,奉行などを経て全国に触れ流された。…
※「月番」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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