有宝郷(読み)うほごう

日本歴史地名大系 「有宝郷」の解説

有宝郷
うほごう

和名抄」所載の郷。ほかに同名の郡郷は見いだせないが、天平勝宝九歳(七五七)四月七日の西南角領解(正倉院文書)にみえる「美濃国不破郡宇保郷」と同一と考えられるので、これに従ってウホとよむ。比定地は現大垣市荒尾あらおを中心として、隣接する福田ふくだ牧野まきのを併せた地域一帯、すなわち杭瀬くいせ川の右岸で、その西約二・五キロを並行して流れる大谷おおたに川に挟まれた地域に求めるのが一般的である(「濃飛両国通史」「岐阜県史」など)。現在荒尾にある御首みくび神社は、美濃国神名帳の不破郡従三位宇保明神にあたるとされ、一説には「後世音訓淆雑」して有宝を「阿良保」とよみ、荒尾に転訛したとの説もある(日本地理志料・濃飛両国通史)。荒尾地区には荒尾古墳群があり開発の早さが想定でき、同地に一郷を配することは十分に可能性があるといえよう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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