有末精三(読み)アリスエ セイゾウ

20世紀日本人名事典 「有末精三」の解説

有末 精三
アリスエ セイゾウ

大正・昭和期の陸軍中将 日本郷友連盟名誉会長。



生年
明治28(1895)年5月22日

没年
平成4(1992)年2月14日

出身地
北海道美唄市

学歴〔年〕
陸士(第29期)〔大正6年〕卒,陸大(第36期)〔大正13年〕卒

経歴
参謀本部員から昭和7年荒木貞夫陸相秘書官、次いで林銑十郎陸相秘書官を経て、イタリア駐在武官。19年東条英機参謀総長(首相兼任)の下で参謀本部第2部長(情報)、20年陸軍中将。マッカーサー厚木に迎え、旧軍情報関係者を組織、対ソ軍事情報をGHQに提供。実態不明の有末機関といわれた。25年8月警察予備隊が発足すると指導権をめぐって暗躍、保安隊移行の時も再軍備案を作ったが不採用。45年郷友会連盟会長。著書に「終戦秘史 有末機関長の手記」「有末精三回顧録」。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「有末精三」の解説

有末精三 ありすえ-せいぞう

1895-1992 大正-昭和時代軍人
明治28年5月22日生まれ。イタリア駐在武官,参謀本部第二部長などを歴任。昭和20年陸軍中将。敗戦直後,連合軍進駐の受け入れにあたり,また,有末機関を組織してGHQに対ソ情報を提供した。45年旧軍人団体の日本郷友連盟会長。平成4年2月14日死去。96歳。北海道出身。陸軍大学校卒。著作に「有末精三回顧録」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「有末精三」の解説

有末 精三 (ありすえ せいぞう)

生年月日:1895年5月22日
大正時代;昭和時代の軍人。陸軍中将;日本郷友会連盟会長
1992年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の有末精三の言及

【在郷軍人会】より

…在郷軍人会が戦前戦中の日本社会にこのように大きな影響力を保持した一つの理由には,地域のサブリーダー(中堅人物)となる青年層を国家主義,軍国主義教育によって町村軍人分会幹部として養成することに成功したことが考えられる。 第2次世界大戦後は,1950年代の再軍備,逆コースの過程で旧軍人の活動が復活し,56年10月には有末精三を代表に日本郷友連盟が結成され,会員45万人を擁する旧在郷軍人の全国的統合体として国防問題,教育問題,憲法改正などで政治的圧力活動を推進している。また59年7月には木村篤太郎を会長に自衛隊退職者の相互扶助団体として隊友会が結成され,70年代にはいって,重工業大経営における労務職制機構への,あるいは基地周辺地域の町内会役員への隊友会員の進出が顕著となっている。…

※「有末精三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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