有馬流(読み)アリマリュウ

デジタル大辞泉 「有馬流」の意味・読み・例文・類語

ありま‐りゅう〔‐リウ〕【有馬流】

剣術流派の一。室町末期に有馬乾信もとのぶが興したといわれる。有馬神道流。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有馬流」の意味・わかりやすい解説

有馬流
ありまりゅう

剣術の天真正伝神道流(鹿島(かしま)系)の一派で有馬神道流ともいう。流祖有馬大和守(やまとのかみ)幹信は松本備前守(びぜんのかみ)政信について刀槍(とうそう)の術に達し、刺撃の法に妙を得て、有馬大膳時貞、柏原篠兵衛盛重らに伝えたという。紀州藩の伝書では、幹信の養子大炊頭満盛(おおいのかみみつもり)は常陸(ひたち)国(茨城県)津賀(つが)の城主津賀大膳政勝の弟で、諸国を巡歴し、三河国(愛知県)岡崎徳川家康に家伝の兵法極意を伝授して青江太刀(たち)を拝領したという。満盛の孫豊前満秋(ぶぜんみつあき)は家康に200石で召し抱えられ、1613年(慶長18)3月、家の極意無一剣を家康からじきじきに伝授され、紀州頼宣(よりのぶ)の御附(おつき)として1619年(元和5)その入国に随行した。以後代々剣術を家業として師範役を勤めたが、1733年(享保18)に至り、高弟竹森源七へ奥儀を残らず伝授し、これより竹森流と称する。

[渡邉一郎]

『『南紀徳川史 第17冊』(1931・同刊行会/復刻版・1972・名著出版)』

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