旺文社日本史事典 三訂版 「木綿・綿」の解説
木綿・綿
もめん・わた
鎌倉・室町前期には宋や朝鮮からの貴重な輸入品であったが,室町後期に大陸から綿の種が渡来し,木綿栽培が西日本から普及した。元禄期(1688〜1704)には畿内が中心で,東北・北陸を除く各地に商品作物として発展。綿花から綿(実綿)をとり糸を紡ぎ(繰綿),綿布を織る。家内工業で商品化し,大坂の問屋で集散。麻にかわり庶民の衣服として普及したが,開国後輸入綿布が増大し,明治時代以後,短繊維で割高な日本綿花は外国綿花におされ衰亡した。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報