木遣り歌とも。大木や石を大勢で引いて行くときにうたう歌。家を建てるため柱となる木を切り出して引いてくるとき,音頭取りが材木の上に上ったりしてうたった歌が,字義どおり木遣りであるが,祝儀歌としても民謡の中に定着して今日に及んでいる。建築儀礼などにうたわれ,江戸木遣りなどのように美声の鳶(とび)職に伝承され,棟上げやさらに祭礼の練歌(ねりうた)に転用して使われている。《伊勢音頭》なども,伊勢神宮の20年ごとの遷宮に切り出した材木を運ぶときの木遣り歌に端を発しており,今も全国に分布する《伊勢音頭》およびその系譜の歌のもつはやしことば〈ヤートコセーノヨーイヤナ〉は木遣りの際のはやしことばであった。長野県諏訪の,7年めごとに行われる上社・下社の御柱祭(おんばしらまつり)は,山から切り出した御神木を数千人の氏子が引いてきて,両社の社地に建てる神事であるが,その際にうたわれるのが〈木遣り歌〉で,こういう形が木遣り歌の原形といえる。
執筆者:仲井 幸二郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…いずれも,もとは単に〈うた〉とよばれたものであるが,沖縄の〈うた〉が琉歌といわれるようになったのは,日本の和歌が,漢詩(からうた)に対して和歌(やまとうた)と称して区別されるようになったのと同じ事情であり,地域的変容と特性をもっている。琉歌は〈短歌形式〉〈長歌形式〉に二分し,前者は〈短歌〉〈仲風(なかふう)〉に,後者は〈長歌〉〈つらね〉〈木遣り〉〈口説(くどき)〉に分けることができる。短歌は8・8・8・6の4句30音から成る定型の短い文学形式で,普通に〈琉歌〉というときにはこれを指す。…
※「木遣り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新