末利郷(読み)まりごう

日本歴史地名大系 「末利郷」の解説

末利郷
まりごう

現君津市の小糸こいと川中流域から下流域にわたる地に比定される。嘉暦四年(一三二九)四月一二日の東盛義上総国内知行分注進状案(金沢文庫文書)に「周東郡末利下村西方」、応永四年(一三九七)一二月二三日の足利氏満挙状(中山法華経寺文書)に「末利上村中島」などとみえ、かみ村・下村に分れていたことがうかがえる。盛義は元応元年(一三一九)罪科により当郷など所領の三分の一を没収され(年月日未詳「東盛義所領収公注文」金沢文庫文書)、これらは元亨元年(一三二一)六月金沢称名寺に寄進されたが(六月二二日「将軍家寄進状案」同文書)、他人所領の交錯などによりその打渡しが円滑に進まず、郷村によっては年貢納入が行われながらもその子息の代まで紛争が続いた(元徳元年一二月二日「平宗継請文案」同文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android