末法燈明記(読み)まっぽうとうみょうき

精選版 日本国語大辞典 「末法燈明記」の意味・読み・例文・類語

まっぽうとうみょうき マッポフトウミャウキ【末法燈明記】

仏教書。一巻。延暦二〇年(八〇一)最澄著と伝えるが疑わしい。末法的自覚に立って、名前だけの無戒の僧を尊ぶべきことを主張し、僧尼統制を批判する。鎌倉新仏教を生み出す一契機となったもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「末法燈明記」の意味・わかりやすい解説

末法燈明記
まっぽうとうみょうき

仏教書。1巻。延暦 20 (801) 年最澄の著と記されているが平安時代末期の偽作と考えられている。末法に近づいて,僧侶灯明を授けるため,僧侶が仏法を従来どおり正しく行わないとしても,なお僧宝は尊く,法王,仁王の擁護を受けるべきであると説き,僧侶を勇気づけた書。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android