本文(読み)ほんもん

精選版 日本国語大辞典 「本文」の意味・読み・例文・類語

ほん‐もん【本文】

〘名〙
古書などにあって、典拠となる文句出典とした文。
※菅家文草(900頃)五・月夜翫桜花「題脚且注本文
② 頭注、脚注、割注、傍注などの注釈部分を除いたもと文章
書物のうちで、絵、図、また、序文跋文などを除いた、主になっている文。
※授業編(1783)一「本文(ホンモン)の文字大にして児輩よみやすし」 〔後漢書‐徐防伝〕
④ 手紙などで、宛先などを除いた、主になっている文章。
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉風呂の後「消印の文字を読まうと力めたが、肉が薄いので何うしても判断が付かなかった。已を得ず再び本文(ホンモン)に立ち帰って」
⑤ 話や物語の筋の展開で中心となる部分。本題
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇「扨、これからが本文(ホンモン)だテ」

ほん‐ぶん【本文】

※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし「博愛之を仁といふ本文(ホンブン)はあれど余り広く愛する事口にいふべくして行ひがたし」

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デジタル大辞泉 「本文」の意味・読み・例文・類語

ほん‐もん【本文】

序文・跋文ばつぶん注解付録などに対して、書物の主たる内容をなす部分の文章。ほんぶん。
注釈や訳文に対して、そのもととなる文章。原文
典拠となる古典などの文句。
「心ばへある―うち書きなどして」〈紫式部日記

ほん‐ぶん【本文】

ほんもん(本文)」に同じ。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「本文」の解説

本文

(1)図書雑誌などの,前付,後付以外の本体となる文章,部分.(2)「テキスト」(1)(2)と同じ.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

普及版 字通 「本文」の読み・字形・画数・意味

【本文】ほんぶん

正文。〔後漢書、賈逵伝〕逵、悉(ことごと)くの業を傳へ、冠にして能く左氏傳、び五經の本を誦し、大夏侯書を以て授す。

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