東儀季芳(読み)トウギ スエヨシ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「東儀季芳」の解説

東儀 季芳
トウギ スエヨシ


職業
雅楽師

専門
篳篥

肩書
宮内省楽部楽師

生年月日
天保9年 2月6日

出生地
京都府

経歴
雅楽を専業とする家系に生まれる。東儀季熈の弟。7歳で宮中伶人、正六位下薩摩介、のち従五位上薩摩守。慶応4年明治天皇の大坂親征に従う。明治3年東京に移り、宮内省雅楽局の楽師となる。8年欧洲楽伝習を志願して許され、フェントンに吹奏楽を学び、9年には天長節宴会における初の欧洲楽演奏に参加した。10年から「保育唱歌」の撰譜がはじまると、自身も「家鳩」「民草」「富士山」「山時鳥」などの唱歌作曲。12年音曲調査及び新曲撰譜のため、芝葛鎮、奥好義らとともに洋琴の伝習を命ぜられ、ピアノ松野クララ師事。13年に海軍省の委嘱によって書いた「海ゆかば」は長く海軍の儀礼歌として用いられるとともに、のちに瀬戸口藤吉作曲の「軍艦行進曲(軍艦マーチ)」の中間部にも取り入れられ、広く人口に膾炙した(今日では信時潔の作った同名曲の方が著名)。楽人としては兄と同じく篳篥を専門とした。21年伶人長に就任。37年孝明天皇祭奉仕ののち急逝した。他の作品に「河水」「伊呂波」「倭心」「神嘗祭」「科戸ノ風」などがある。俳優で、早稲田大学校歌「都の西北」の作曲者として知られる東儀鉄笛息子

没年月日
明治37年 2月9日 (1904年)

家族
父=東儀 季誕,兄=東儀 季熈(楽人),息子=東儀 鉄笛(俳優・雅楽師)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「東儀季芳」の解説

東儀季芳 とうぎ-すえよし

1838-1904 幕末-明治時代の雅楽家,作曲家。
天保(てんぽう)9年2月生まれ。東儀季誕(すえのぶ)の子。分家の東儀季郛の跡をつぐ。明治3年太政官雅楽局にはいり篳篥(ひちりき)を担当。松野クララにピアノをまなび,唱歌の作曲もおおく手がけた。海軍儀礼歌「海ゆかば」で知られる。明治37年2月9日死去。67歳。京都出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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