東阿村(読み)ひがしあだむら

日本歴史地名大系 「東阿村」の解説

東阿
ひがしあだむら

[現在地名]五條市東阿田ひがしあだ

吉野川北岸に所在。古代の阿郷の地。「古事記」神武天皇段に「吉野河の河尻」に「阿陀の鵜養の祖」がみえ、「日本書紀」神武天皇即位前紀戊午年八月二日条にも鵜部の始祖苞苴担にえもつが、梁を作り魚を取るという記事がある。現在も吉野鮎の漁場として有名。「万葉集」巻一一にも「安太あだ人の魚梁やなうち渡す」とある。

慶長郷帳の村高一五〇・一七石。五条二見藩(松倉重政)領。元和二年(一六一六)松倉氏の転封で幕府領(代官宗岡弥右衛門)編入。同五年郡山藩(松平忠明)領、のち同藩の二割半無地高増政策で村高一八七・七二五石。延宝七年(一六七九)以降幕府領。天保郷帳には「古ハ東阿陀村東阿田村」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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