松の煙(読み)マツノケブリ

デジタル大辞泉 「松の煙」の意味・読み・例文・類語

まつ‐の‐けぶり【松の煙】

松をたく煙。
松明たいまつの煙。
「―のたなびきて」〈・一四二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「松の煙」の意味・読み・例文・類語

まつ【松】 の 煙(けぶり)

  1. 松をたく煙。
    1. [初出の実例]「よそなりしおなじときはの心にて絶えずや今も松のけふりは」(出典:和泉式部続集(11C中)下)
  2. 松の遠景が霞んで見えることのたとえ。
    1. [初出の実例]「すみのえのまつのけぶりもよとともになみのかずにぞかぞふべらなる」(出典:貫之集(945頃)七)
  3. たいまつの煙。
    1. [初出の実例]「松のけぶりのたなびきて」(出典:枕草子(10C終)一四二)
  4. ( 松の油煙原料とするところから ) 墨の異称松煙
    1. [初出の実例]「墨銘に山下松煙と云銘を作り初ける日よめる、君が代にたてしそむれば山下の松の煙はいつか絶ゆべき〈良暹〉」(出典:続詞花和歌集(1165頃)賀)

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