松野草村(読み)まつのくさむら

日本歴史地名大系 「松野草村」の解説

松野草村
まつのくさむら

[現在地名]緒川村松之草まつのくさ

四方を山に囲まれ、小瀬沢おせざわ川が西から東へ貫流する。東は小瀬沢村。寛永一五年(一六三八)の武茂長倉塩子筋御代官高帳(「田制考証」所収)には「松草村」と記され、同二一年の御知行割郷帳に「松野草村」とある。「水府志料」によると戸数およそ三三、「産物杉原、わら紙、西野内紙、白半切、丈長、絞紙、十五枚切等の類あり」と記され、西ノ内紙が生産された。立原翠軒編「西山遺聞」によると徳川光圀は常に紙を大切にし、女中たちが紙を乱費するのを憂い、ある年の寒中に女中たちを松野草村に遣わし、紙漉場を見学させたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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