枯れ枯れ（読み）カレガレ

デジタル大辞泉

かれ‐がれ【枯れ枯れ】

［形動］［文］［ナリ］草木が今にも枯れそうなさま。
「激しい霜のために―になった桑畠の間を通して」〈藤村・家〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かれ‐がれ【枯枯・涸涸・嗄嗄】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
2. ① ( 枯枯 ) 草木などが枯れようとしているさま。枯れているさま。葉を落としているさま。和歌では「離離(かれがれ)」にかけていうことが多い。
   1. [初出の実例]「思ふどちあるだに秋はわびしきを草のかれがれなるぞ悲しき」(出典：古今和歌六帖（976‐987頃）六)
3. ② ( 涸涸 ) 水などが乾きゆくさま。ひからびたさま。
   1. [初出の実例]「掻抱て寝たる人は、枯々(かれかれ)と干(かれ)て骨と皮と許(ばかり)なる死人也けり」(出典：今昔物語集（1120頃か）二七)
4. ③ ( 嗄嗄 ) 声がしわがれるさま。声のかれ衰えたさま。
   1. [初出の実例]「秋の花、みな衰へつつ、浅茅(あさぢ)が原も、かれがれなる虫の音に、松風すごく吹きあはせて」(出典：源氏物語（1001‐14頃）賢木)
5. ④ 言葉や動作などに、まったく生気が見られなくなっているさま。
   1. [初出の実例]「書くや言の葉の枯れがれに、あはれなるやうにて強からず」(出典：謡曲・関寺小町（1429頃）)
6. ⑤ 家財道具もなく、家の中ががらんとしてさびしいさま。ひどく貧しいさま。
   1. [初出の実例]「浪人らしく見えて内は枯々(カレガレ)に名は仰山(げうさん)にしらせり」(出典：浮世草子・本朝二十不孝（1686）五)

出典　精選版 日本国語大辞典