染色体分染法

内科学 第10版 「染色体分染法」の解説

染色体分染法(染色体分析)

(1)染色体分染法
 染色体分析では,採取した検体を速やかに短期培養,分裂細胞を回収し分染法を行う.骨髄血,リンパ節,体腔液などから細胞を調整し,一昼夜培養してから30~60分間,コルセミドで処理する.細胞を回収したのち低張処理,カルノア液(メタノール酢酸=3:1)で固定し,スライドグラスに展開して染色体標本を作製する.  G染色法では,トリプシン処理後にGiemsa液で染色,染色体に縞模様を描出し,特異的なパターンから各染色体とその異常を同定できる.高精度分染法では効率的に長い染色体の前中期分裂像を回収し,G染色によってハプロイドあたり550~800のバンドが観察できる.キナクリンマスタードやDAPI(4′-6-diaminido-2-phenylindole)によるQ染色法もときに行われる.また,DAPIなどの蛍光染色した分染像を画像解析ソフトで反転してバンド強調をかけると,明瞭なGバンドを得ることができる(図14-5-3).Qバンドの逆パターンがRバンドである.[谷脇雅史]
■文献
阿部達生編著:造血器腫瘍アトラス,第3版,日本医事新報社,東京,2000.古庄敏行監修・編:臨床染色体診断法,金原出版,東京,1996.
谷脇雅史編著:血液腫瘍−MIC-M分類から治療まで.先端医学社,東京,2005.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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