柿落し(読み)こけらおとし

改訂新版 世界大百科事典 「柿落し」の意味・わかりやすい解説

柿落し (こけらおとし)

劇場新築あるいは改築して初開場することをいう。古くは劇場の屋根杮葺きこけらぶき)にしていたが,屋根や足場に残る杮(木片)を払い落としてはじめて完成に至った。そこで杮落しが初開場を意味するようになったようであるが,語源ははっきりしない。〈杮葺落し〉と書くのは誤り。現在は語源に関わりなく,新築あるいは改築の開場を記念して行う興行をいう。この興行に先立ち,開場式が行われ〈翁渡し〉があり《式三番叟》が演じられる。興行も,特別企画として祝儀気分のある演目を組むことがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「柿落し」の意味・わかりやすい解説

柿落し【こけらおとし】

劇場用語。新築劇場の開場興行をいう。昔の劇場は,屋根を(こけら)でふき,完成のとき不用の板くずをはき落としたので,この語が生まれたという。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android