日本歴史地名大系 「根香寺」の解説
根香寺
ねごろじ
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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香川県高松市中山町にある天台系の単立寺院。青峰山千手(あおみねざんせんじゅ)院と号する。四国八十八か所第82番札所。81番白峰寺から根香寺までの讃岐遍路道の一部は根香寺道として国の史跡に指定されている。智証(ちしょう)大師円珍(えんちん)(814―891)の創建と伝える。本尊千手観音(せんじゅかんのん)立像(国重要文化財)は円珍が霊木で刻んだものといい、木の根株が長く芳香を放つので根香の寺名がつけられたという。1185年(文治1)後白河(ごしらかわ)上皇の勅願により官寺となり末寺99院を数える最盛期を迎えたが、戦国時代に衰微した。1970年(昭和45)本堂が改築されて3万3330体の観音像を安置。寺宝に本尊観音像のほかに五大明王立像(県の重要文化財)などがある。怪獣牛鬼(うしおに)の伝説で名高く、弓の名手山田高清が当山本尊に祈願をかけて牛鬼を退治し、その角(つの)を奉納したと伝える。
[大鹿実秋]
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