デジタル大辞泉 「格率」の意味・読み・例文・類語 かく‐りつ【格率/格律】 1 世間で広く認められている行為の基準。また、それを簡潔に表した言葉。格言。金言。処世訓。2 《〈ドイツ〉Maxime》カント哲学で、行為の普遍的な道徳法則に対して、主観的にのみ妥当する実践的原則(規則)。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「格率」の意味・読み・例文・類語 かく‐りつ【格率・格律】 〘 名詞 〙① 世間に広く承認されて、行為の規準となるもの。また、それを簡潔にいいあらわしたもの。格言。処世訓。金言。箴言(しんげん)。[初出の実例]「はし書ふりましし一家の格律ありて」(出典:俳諧・松窓句集続編(1835)序)② 近体詩。または広く、漢詩。[初出の実例]「故釈二逍遙一篇之三章一、且題二格律五言之八韻一」(出典:菅家文草(900頃)四)③ ( [ドイツ語] Maxime の訳語 ) 哲学で、証明の必要のない基本的な命題。準則。特にカント哲学では、客観的、普遍的な道徳法則に対して、主観的、個別的な行為の規則をいう。〔哲学字彙(1881)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「格率」の意味・わかりやすい解説 格率かくりつmaxim 英語maxime フランス語Maxime ドイツ語 個人が自分で守ろうと決めている「規則」「掟(おきて)」「基準」のようなものをいう。たとえば、朝は早く起きることと決めている人がいれば、その人にとっては、早起きすることが格率である。これに対して、万人に妥当するものと認められている道徳律があるとすると、これは格率よりはもっと客観的なものだということになる。しかし、客観的な道徳律があることを論理的にすきのない形で証明するのは、けっこうむずかしいことである。格率をもつ個人が多いことは経験的にたやすく知られることである。[吉田夏彦] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例