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…また,より広く土地,建物などの売買の周旋をする業者も含めることができる。雇人の周旋業者は桂庵(けいあん),口入れ屋と通称されたほか,人宿(ひとやど),請宿(うけやど),人置(ひとおき),肝煎(きもいり)屋などとも呼んだ。近世初期以降,都市の発展にともなって出現したもので,とくに江戸に流入する多数の出稼ぎ奉公人に対し,その身元保証,雇入先の斡旋,そして,就職先がきまるまでの宿泊を行う必要があったことから必然的に発生したものと思われる。…
…また学校の場合は,公共職業安定所の業務の一部を分担するという形で職業紹介を行うことができるようになっている(同法25条の3)。
[日本の職業紹介制度]
日本の職業紹介事業は江戸時代から,肝煎(きもいり),口入屋,桂庵などと呼ばれる民間の営利事業として発達してきた。明治以降もこれらは存続したが,ややもすれば中間搾取,強制労働,人身売買等の弊害を伴っていた。…
…芸娼妓周旋人のこと。遊女の周旋は中世では〈人買い〉がこれを行い,江戸時代には〈人買い〉〈口入れ〉〈桂(慶)庵(けいあん)〉などとよぶ周旋業者がこれを兼ねたが,とくに娼妓を周旋する者を関東では女衒と俗称することがあった。生業上,女の姿形を見ることから〈女見(じよけん)〉といい,それがなまったものというが,確証はない。…
…江戸時代,男女奉公人の周旋を業としたもの。町奉行所などの記録や法令では人宿とあるが,一般には,けいあん,口入,口入人などとよばれていた。人宿の語の初見は1640年(寛永17)であるが,より以前から使用されていたと思われる。江戸では若党や徒士(かち),中間(ちゆうげん)などの武家奉公人を多数必要とし,人宿を仲介とする雇用先の大半は武家方であった。人宿は奉公人の身元保証人(請人)となって判賃(判銭)を取り,また奉公先を周旋して契約が成立すると周旋料(口入料,口銭)をうけた。…
… 武家奉公は中世の末期まで譜代奉公をもって本来の姿とした。しかし,近世に入るとそれは漸次人宿(ひとやど)(口入屋(くちいれや),桂庵(けいあん)),日用座(ひようざ)を通じて雇用される百姓,町人による給金めあての一季(いつき),半季の出替(でがわり)奉公や月雇(つきやとい),日雇へと移りかわっていった。江戸幕府は慶長(1596‐1615)のころから一季奉公をしきりと禁じ(これは一季奉公人の多くあったことを示すものであろう),軍役の確保のため譜代奉公の維持につとめた。…
※「桂庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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