棚倉孫神社(読み)たなくらひこじんじや

日本歴史地名大系 「棚倉孫神社」の解説

棚倉孫神社
たなくらひこじんじや

[現在地名]田辺町田辺 棚倉

天神森てんじんのもりに鎮座するが、今は境内の樹木もまばらである。祭神天香古山あまのかぐやま命。饒速日にぎはやひ命の子で、高倉下たかくらじ命・手栗彦たなくりひこ命ともいい、「たなくりひこ」が棚倉孫に転じたといわれる。一説には南山城に渡来人が多く、養蚕が盛んで、棚倉とは蚕棚の小屋の意であり、養蚕に関係のある神ともいう。旧郷社。創祀の由緒は明らかでないが、「三代実録」貞観元年(八五九)正月二七日条に従五位上に叙された諸神の一に「棚倉孫神」があり、「延喜式」神名帳に載せる綴喜つづき郡一四座のなかに「棚倉孫神社大、月次新嘗」とみえる。元禄(一六八八―一七〇四)初年に山城淀藩主石川憲之の崇敬を受け、毎年御供料の寄進を得た。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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