出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
遷延性意識障害、持続的意識障害のこと。持続的植物状態persistent vesetative stateなどともいわれる。「persistent vesetative state」ということばは、1972年に反応が長期間みられない患者に対しての概念として使われ始めた。正常な生活をしていた人が、なんらかの脳損傷によって、自力で動くことができない、自力で食事をとることができない、尿失禁状態となる、目で目的物を追うが認識できない、簡単な命令(口を開けなど)にはやっと応ずるが、それ以上の意思の疎通はない、声は出るが意味のあることばはいえないなどの状態が、どのような治療によっても改善することがなく、3か月以上続く場合と定義されている。単に患者の状態だけをさして「植物人間」とよばれたこともあったが、これは正しい病状を表したことばではない。頭部外傷、脳血管障害に対する医療の進歩・発展につれて、前述の状態でも長く生存でき、生命の延長が可能なこととなった。しかし、人間としての意思、尊厳にかかわる問題として、あるいは家庭的、経済的に重大な負担を家族に与える点などの面から、医学的のみならず社会学的にも大きな問題を提示している。
[渡辺 裕]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(田辺功 朝日新聞記者 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…ただ脳死をもって人の死とするかについては,法の制定に際し国会でも論議が交わされたが,明確な合意を得るにはいたらなかった。 脳死に関して,しばしば混同されるものに,いわゆる植物状態がある。この両者はまったく異なる。…
…脳の外傷や脳の病気などで意識のない状態となり,入院して強力な治療を受けて一命をとりとめたものの,意識がもどらない状態になった人間のこと。〈植物〉とは,植物のように動かないということではなく,〈植物性機能だけが働いていて,動物性機能が働いていない状態〉のことをさし,このような状態をさして1972年以後,〈植物状態〉というようになった。 人間の営む働き(機能)を,生理学の教科書では伝統的に二つに大きく分けてきた。…
※「植物状態」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新