検閲・撿閲(読み)けんえつ

精選版 日本国語大辞典 「検閲・撿閲」の意味・読み・例文・類語

けん‐えつ【検閲・撿閲】

〘名〙
① しらべあらためること。
※延喜式(927)二八「凡諸国様器仗者〈略〉即諸司就庫収之。其器仗鐫題専当官人姓名。若撿閲有如法。随事科貶」 〔後漢書‐張堪伝〕
② 旧陸海軍で、軍紀・教育・服務・作戦準備その他が正しく運営管理されているかどうかを検査・閲覧したこと。陸軍検閲と海軍検閲とに分ける。
※陸軍検閲条例(明治一九年)(1886)二条「検閲を分て三となす、即ち左の如し」
③ 行政権が主体となって、新聞・雑誌・書籍をはじめ、放送・映画・演劇・郵便信書などの表現内容を発表前に強制的に審査して、不適当と認めるものの発表を禁止すること。思想統制公安または機密保持などのために行なわれた。〔仏和法律字彙(1886)〕
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉附録「矢張内務省の検閲を経るより外仕方があるまいが」
④ 精神分析学で、人間の心の中の危険な願望を道徳的な意識によっておさえ、変形して、そのままの形では出現させないこと。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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