椿井(つばい)大塚山古墳(読み)つばいおおつかやまこふん

知恵蔵 の解説

椿井(つばい)大塚山古墳

1953年に京都府山城町で発見された、3世紀末(古墳時代初め)の前方後円墳(全長約200m)。古墳を分断していたJR奈良線の線路敷地の改修工事に伴い、偶然に遺物が出て調査された。当時最多の三角縁神獣鏡32面を始め、内行花文鏡2面、方格規矩鏡1面、画文帯神獣鏡1面など計36面以上の鏡と武具などが出土各地の三角縁神獣鏡との関係が判明し、邪馬台国の「分配論」が打ち出された。「36面以上」というのは、ほかに鏡の破片数点が出ているのと、盗難行方不明のものがあった可能性が捨てきれないためだ。63年に刊行直前で中止された報告書は、新たに、当時の発掘を担当した樋口隆康によって98年に発行された。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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