業感縁起(読み)ゴウカンエンギ

デジタル大辞泉 「業感縁起」の意味・読み・例文・類語

ごうかん‐えんぎ〔ゴフカン‐〕【業感縁起】

仏語。一切の現象は、衆生業因によって生じたものであるとする小乗仏教世界観

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精選版 日本国語大辞典 「業感縁起」の意味・読み・例文・類語

ごうかん‐えんぎゴフカン‥【業感縁起】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。小乗仏教で一切の万象有情の業因により生じると説く教理

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百科事典マイペディア 「業感縁起」の意味・わかりやすい解説

業感縁起【ごうかんえんぎ】

部派仏教教説一つ縁起論一種万有一切の現象は衆生の業因によって感じ生じたものとする説。→縁起
→関連項目

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「業感縁起」の意味・わかりやすい解説

業感縁起
ごうかんえんぎ

仏教用語。一切は縁 (よ) りて起るという説 (縁起説) の一種。世界のあらゆる現象は,生き物の業因によって生じたものであるという説。部派仏教,特に有部では,この説をとっている。

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世界大百科事典(旧版)内の業感縁起の言及

【縁起】より

…すなわち無明を究極原因とし,生・老死を最終結果とする十二の因果の連続体がわれわれ有情(うじよう)のあり方であり,そこにはなんら固定的・実体的な自我(アートマン)は存在しないという。原始仏教いらい説かれるこの十二支縁起を〈業感縁起〉といい,これと,大乗の瑜伽行唯識派の〈阿頼耶識縁起〉,如来蔵思想の〈如来蔵縁起〉,華厳宗の〈法界縁起〉とをあわせて四種縁起とよぶことがある。【横山 紘一】
[日本における縁起]
 〈縁起〉の語義の解釈には諸説があり,その推移をたどることはさながら仏教教説史を説くことになる。…

【説一切有部】より

… 有部は人間の苦の直接の原因を,誤った行為(業)とみ,その究極の原因を煩悩(惑)と考えた。すなわち人間の存在を惑→業→苦の連鎖とみる(これを業感縁起という)。それゆえ人間が苦からのがれ涅槃(さとり)の境地を得るためには,煩悩を断ずればよいことになる。…

※「業感縁起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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