毒薬、劇薬および副作用のとくに著しい医薬品に対して、過量に用いる危険を防止するために薬局方で制定した薬物の量のことで、中毒量とも致死量とも異なる。それ以上投与すると危険である量という見方と、その量を超えて用いない安全量の最大量といういわば警戒量という見方の2種がある。国際薬局方は前者、日本薬局方では後者の見方をとっている。したがって、個々の薬物について極量は同一でない。通常、大人の内服での1回量および1日量が定められており、とくに注射や直腸内投与などの場合には投与法が記されている。医師または歯科医師がその量を超えて処方する場合には、処方箋(せん)中の医薬品分量に注意標である「!」を明記しなければならない。したがって、薬剤師が調剤するとき、薬品の用量が極量を超えている場合、注意標がついていれば医師がその過量を意識して処方したとみてよく、もし注意標がついていなければ、かならず処方医に照会して、処方の確認を得たあとでなければ調剤してはならない。
[幸保文治]
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…中毒量は物質によって異なり,ごく微量で中毒作用を起こすものから,相当多量に用いなければ作用を現さないものまである。医薬品の場合には〈極量maximum dose〉といって,それ以上用いると中毒作用を起こす可能性のある量が決められているが,これら中毒量は年齢,体質,毒物摂取時の体の状態など,人によって,またそのときの健康状態によって,かなり異なる。なお,毒物の生体に対する作用機構については〈毒〉の項を参照されたい。…
…常用量は,適用される個体に対し薬効を現すが副作用をほとんど起こさないように定められるが,ヒトによってこの用量でも異常な障害を現す場合があり,これらの生体の反応を副作用と区別してその薬剤による有害反応と呼ぶことがある。
[極量maximal dose]
副作用を防ぐ目的で,通常それ以上に使われることが少ない用量を極量として定めている(日本薬局方収載の薬品の一部)こともある。極量を超えた使用によっても直ちに副作用を起こすとは限らないが,より強力な効果を望む場合に,医師は極量を超えている旨の印(!)をつけて処方することもできる。…
※「極量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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