楽師・楽士(読み)がくし

精選版 日本国語大辞典 「楽師・楽士」の意味・読み・例文・類語

がく‐し【楽師・楽士】

〘名〙
① 音楽を演奏する人。楽人。伶人(れいじん)
※十善法語(1775)五「楽師伶人にていはば、この声韻によりて道に入るべし」
破垣(1901)〈内田魯庵〉四「余興に無報酬で来て呉れた某々楽師(ガクシ)の管絃三部合奏(トリオ)と」
令制で、雅楽寮の職員。楽生に音楽を教えることをつかさどった。楽人。〔令義解(718)〕
③ もと、宮内省式部職の楽部判任官。現在は、宮内庁式部職の奏楽に従う職員。
※宮内省官制(明治四〇年)(1907)三六条「楽部に左の職員を置く。部長、楽長、楽師」
④ 劇場、ダンスホール等で西洋音楽を奏する人。明治から昭和初期に用いられた語。楽手。
浅草(1931)〈サトウハチロー〉浅草六区の春「トロンボンを吹ききれない新米の楽師(ガクシ)が」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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