構造(構造主義)(読み)こうぞう

世界大百科事典(旧版)内の構造(構造主義)の言及

【構造主義】より

…1960年代以降フランスで生まれた現代思想の一潮流。フランスの人類学者レビ・ストロースは,ソシュールに始まり,イェルムスレウらのコペンハーゲン学派やヤコブソンらのプラハ言語学派において展開された構造言語学や,数学,情報理論などに学びつつ,未開社会の親族組織や神話の研究に〈構造論〉的方法を導入して,構造人類学を唱えた。やがて1962年に公刊した《野生の思考》は,これまで非合理的なものとされていた未開人の〈神話的思考〉が,決して近代西欧の〈科学的思考〉に劣るものではなく,象徴性の強い〈感性的表現による世界の組織化と活用〉にもとづく〈具体の科学〉であり,〈効率を高めるために栽培種化された思考とは異なる野生の思考〉であることを明らかにして,近代西欧の理性中心主義のものの見方に根底的な批判を加えた。…

【もの(物)】より

…こうした存在論はおそらく製作物の成立ちをモデルにして構想されたものであろう。ギリシア語のエイドスとヒュレはラテン語ではformaとmateria,ドイツ語ではFormとStoffと訳され,これらの用語とともに物の存在構造についてのこの考え方も中世・近代に受けつがれている。(3)アリストテレス以来,物を経験に与えられる諸特性(シュンベベコスsymbebēkos)の担い手つまり〈基体(ヒュポケイメノンhypokeimenon)〉とみるとらえ方も一つの伝統になっている。…

※「構造(構造主義)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」