朝日日本歴史人物事典 「樋口道立」の解説
樋口道立
生年:元文3.10.18(1738.11.29)
江戸中期の俳人,儒者。京都の人。漢詩人として著名な江村北海の次男。川越藩主松平大和守の京都留守居役を務める。『平安人物志』には一貫して学者の項に載せられているが,安永(1772~81)ごろから与謝蕪村の指導のもとに俳諧に親しむ。安永5(1776)年,洛東金福寺に芭蕉庵再興を発企し,写経社を主催して『写経社集』を刊行した。道立宛の蕪村の書簡に,蕪村の女性関係を道立が戒めたことを示す文面があり,師の蕪村に直言できる立場にあったことが分かる。<参考文献>潁原退蔵「道立」(『潁原退蔵著作集』13巻)
(田中善信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報