権現前村(読み)ごんげんまえむら

日本歴史地名大系 「権現前村」の解説

権現前村
ごんげんまえむら

[現在地名]嬉野町権現前

中村なかむら川と三渡みわたり川に挟まれた平野部に位置し、須賀すか村の西南にあたる。村内を初瀬はせ表街道が通る。古代は須可すか郷に属し、須賀権現と称する神社の前にあったところから権現前と称したという(五鈴遺響)。文禄検地帳を転記したと思われる伊勢国中御検地高帳に権現前とみえ、石高一二九一・三三石とある。この石高は慶安郷帳(明大刑博蔵)以降の須賀村のそれと同一である。江戸時代は和歌山藩松坂領と津藩領の入組地で、松坂領の郷組は下ノ庄組であった。慶安郷帳では高三二八・九二八石、うち田一八〇・六〇一石、畑一四八・三二七石で、干損所と芝野があった。このうち松坂領は二一四・一七石、津藩領は一一四・七五八石であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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