(読み)ダイダイ

デジタル大辞泉 「橙」の意味・読み・例文・類語

だい‐だい【×橙/臭橙/回橙】

ミカン科の常緑小高木。葉は楕円形で先がとがり、葉柄ようへいに翼がある。初夏、香りのある白い花を開く。実は丸く、冬に熟して黄色になるが、木からは落ちないで翌年の夏に再び青くなる。実が木についたまま年を越すところから「代々」として縁起を祝い、正月の飾りに用いる。果汁を料理に、果皮漢方橙皮とうひといい健胃薬に用いる。 花=夏 実=冬》「―は実を垂れ時計はカチカチと/草田男
橙色」の略。
[類語]柑橘類蜜柑オレンジ金柑枳殻からたち

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精選版 日本国語大辞典 「橙」の意味・読み・例文・類語

だい‐だい【橙・臭橙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ミカン科の常緑小高木。インド・ヒマラヤ原産で、日本へは、古く中国から渡来し、各地に植栽されている。枝・葉は密生し枝にはとげを散布。葉は厚く透明な油点がある。葉身は長さ六~八センチメートルの卵状長楕円形、先はとがり縁は波状か鈍い鋸歯状。葉柄には広い翼がある。初夏、葉腋に芳香のある白い五弁花が咲く。果実は球状で冬に黄色に熟し、翌年の夏になるとまた緑色にもどる。果実は酸味が強く苦みがあり、マーマレードの材料とされる。和名は「代々」の意で、果実が年を越しても木についているところから、「代々永続」などの意に解し、正月の飾りに用いる。果皮を漢方では陳皮(ちんぴ)といい、発汗薬や健胃薬に使う。漢名、橙。《 季語・冬‐新年 》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「橙や春をかさねし千年家〈山呼〉」(出典:俳諧・新類題発句集(1793)春)
  3. だいだいいろ(橙色)」の略。
    1. [初出の実例]「二郎は、直に、其二色をまぜ、だいだいのやうなる色を得たり」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉三)

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普及版 字通 「橙」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 16画

[字音] トウ(タウ)
[字訓] だいだい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は登(とう)。〔説文六上に「橘の屬なり」とあり、だいだいをいう。その果皮は薬用に、果汁は酢の代用となる。

[訓義]
1. だいだい。
2. かぶす。
3. (とう)と通用し、いす、ふみだい。

[古辞書の訓]
名義抄〕橙 ハナタチバナ・カラタチ・タチバナ・アベタチバナ・カケハシ・ハシ 〔字鏡集〕橙 ハナタチバナ・タチナシ・カケハシ・クサキ・マヘタチ・タチバナ

[熟語]
橙蟹橙紅橙黄・橙子・橙実・橙樹・橙色橙丁橙皮橙圃
[下接語]
甘橙・橘橙・金橙・香橙・黄橙・朱橙・秋橙・椒橙・新橙・霜橙・緑橙・縷橙

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動植物名よみかた辞典 普及版 「橙」の解説

橙 (ダイダイ)

学名:Citrus aurantium
植物。ミカン科の常緑小高木,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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