此世(読み)このよ

精選版 日本国語大辞典 「此世」の意味・読み・例文・類語

この‐よ【此世】

〘名〙 現に生きている今の世。
(イ) 死後の世界であるあの世に対して、現世をいう。今生(こんじょう)
万葉(8C後)三・三四八「今代(このよ)にし楽しくあらば来む生(よ)には虫に鳥にも吾れはなりなむ」
謡曲隅田川(1432頃)「さりとては人びと、この土を返していま一度、この世の姿を、母に見せさせ給へや」
(ロ) 過去や未来などに対して、現代をいう。当代
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「この世に名を得たる舞のをのこどもも、げにいとかしこけれど」
(ハ) 世の中。世間。社会。
※枕(10C終)四〇「あすはひの木、この世にちかくもみえきこえず。御嶽にまうでて帰りたる人などのもて来める」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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