武松(読み)ぶしょう(英語表記)Wǔ Sōng

改訂新版 世界大百科事典 「武松」の意味・わかりやすい解説

武松 (ぶしょう)
Wǔ Sōng

中国の小説《水滸伝》の108人の頭目の一人。あだ名行者。清河県(河北省)出身とされ,景陽岡で人食い虎を素手で打ち殺して名をあげる。のち兄を毒殺した嫂の潘金蓮とその情夫の西門慶(せいもんけい)を殺したため罪を問われ,梁山泊に入り,最後は杭州の六和寺で出家,80歳で没する。明代の小説《金瓶梅(きんぺいばい)》は,彼が潘金蓮,西門慶を殺した話をもとに敷衍(ふえん)したものである。また揚州や杭州の評話(講談の一種)には,彼を主人公としたものがあり,広く民衆に親しまれている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android