残存(読み)ザンソン

デジタル大辞泉 「残存」の意味・読み・例文・類語

ざん‐そん【残存】

[名](スル)《「ざんぞん」とも》なくならないで残っていること。同類多くがなくなったあとも、なお残っていること。「社会に根強く残存する偏見」「残存勢力」
[類語]残留名残残り残品残部残務残余

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「残存」の意味・読み・例文・類語

ざん‐ぞん【残存】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ざんそん」とも ) なくならないで残っていること。残りとどまること。生き残ること。また、そのものや人。
    1. [初出の実例]「斯くて後ち原頭に残存する死屍を点検したりしに」(出典:経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「残存」の意味・わかりやすい解説

残存
ざんぞん
survivals

進化主義人類学概念文化を構成する諸要素が,相互に関連し合って進化してゆくのは,自然的・文化的環境に適応しているからであり,適応しなくなったものは前代文化の遺物として文化の進化から取残される。この観点でみれば,過去の文化形態は,その取残された残存文化のなかから知ることができ,文化の発展過程を跡づけることができるという。この残存文化の研究を通じて人類文化史を再構成するのが歴史主義民族学の研究であると考えられていた。また,このように文化を過去の残存物とする考え方は,柳田国男をはじめとして日本民俗学の有力な方法論の一つでもあった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android