殺伐(読み)サツバツ

デジタル大辞泉 「殺伐」の意味・読み・例文・類語

さつ‐ばつ【殺伐】

[形動][文][ナリ]殺気が感じられるさま。また、うるおいやあたたかみの感じられないさま。
「見えない手のふるう剣の光が、もう一度彼を―な争闘の心につれて行った」〈芥川・老いたる素戔嗚尊
[ト・タル][文][形動タリ]に同じ。「殺伐とした世相
[派生]さつばつさ[名]

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精選版 日本国語大辞典 「殺伐」の意味・読み・例文・類語

さつ‐ばつ【殺伐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 人を殺すこと。
    1. [初出の実例]「げにも臣下として其君上を殺伐せば、なにかよからうぞ」(出典:史記抄(1477)一六)
    2. [その他の文献]〔史記‐王翦伝〕
  3. ( 形動 ) 人を殺そうとするような荒々しさが満ちているさま。
    1. [初出の実例]「玄英三冬。厳霜致殺伐之暴」(出典:本朝文粋(1060頃)一二・弁薫蕕論〈都良香〉)
    2. 「然も殊に殺伐(サツバツ)の声の聞えつるこそ、浅増(あさまし)く覚え侍りければ」(出典:太平記(14C後)一三)
  4. ( 形動タリ・ナリ ) 人間関係・雰囲気・風景などに、うるおいや暖か味のないさま。
    1. [初出の実例]「ソレ東家の婦人を西家の潘安が眷恋する趣でござる。イヤ、殺伐(サツバツ)しいかな」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)

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普及版 字通 「殺伐」の読み・字形・画数・意味

【殺伐】さつばつ

荒々しい。〔孔子家語、弁楽解〕夫(そ)れ南は生、北は伐の域なり。故に君子は、柔にして中に居り、以て生の氣をふ。

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