(読み)キ

デジタル大辞泉 「毀」の意味・読み・例文・類語

き【毀】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]こわす こぼつ そしる
破りこわす。「毀棄毀傷毀損破毀
悪口を言う。そしる。「毀誉誹毀ひき謗毀ぼうき
難読刃毀はこぼ

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精選版 日本国語大辞典 「毀」の意味・読み・例文・類語

こぼれ【毀】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こぼれる(毀)」の連用形名詞化 ) 刃などがこぼれること。また、こわれること。こわれ。
    1. [初出の実例]「最前の刀是へ持て。もしこぼれはなかったか今一応改めん」(出典:浄瑠璃・志賀の敵討(1776)一)

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普及版 字通 「毀」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音]
[字訓] やぶる・そしる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
+殳(しゆ)。は〔説文〕古文字形によると臼(きゆう)と(てい)の形。すなわち兒(児)が挺して立つ形。これに殳を加えて殴(う)つ意の字である。〔説文〕に字を土部十三下に属し、「缺くなり」と訓して、土器の類を毀損する意とするが、その字形は(のう)の縫合部のある幼児を毀損する意で、おそらく犠牲の方法を示す字であろう。殷墓の殉葬者のうちに、多数の幼童、未成年者の残骨がある。〔周礼、地官、牧人〕「そ外祭毀事には、尨(むくいぬ)を用ふるも可なり」の〔杜子春注〕に、「毀とは副辜候禳、殃咎を毀除するの屬を謂ふ」とあって、犠牲を用いる祓禳儀礼であるが、殷では異族の幼のものを用いることがあったのであろう。毀はまさにその字であり、また焚殺することを燬といったものと思われる。

[訓義]
1. うつ、うちやぶる、ほろぼす。
2. 器物をこぼつ、きずつける、うちかく、そこなう。
3. 災をはらう、人をそしる。
4. 服喪のため、やせる。
5. 乳歯がぬける。

[古辞書の訓]
名義抄〕毀 ソコナフ・ヤス・ソシル・ヤブル・ヲカス・コボツ・コボル・ホロボス・ハナツ

[声系]
〔説文〕に毀を土部に属し、の省声に従うとするが、その部分は(挺)の形。字は会意。燬のほか、手部十二上の字に「傷なり」、女部十二下の字に「惡なり」、またを毀の省文に従う字とし、(ごつげつ)は法度の意。みな毀の形義に関する字であるが、毀がもと祓禳・呪詛の意をもつ字であったことを思わせるものがある。

[語系]
毀・燬xiui、火xuiは声義近く、毀の最も苛烈な方法には火を用いたのであろう。壞(壊)huiも同系の語で、器物の毀壊の意に用いる。

[熟語]
毀垣・毀悪・毀屋毀瑕・毀壊・毀害・毀顔・毀棄・毀禁・毀掘・毀軍・毀形・毀欠・毀言・毀砕・毀・毀削毀讒・毀死・毀歯毀疵・毀梓・毀・毀事毀疾・毀傷毀辱・毀毀譖毀瘁毀瘠・毀折・毀絶・毀膳毀沮・毀宗・毀俗・毀損・毀短毀詆・毀撤・毀・毀頓・毀破・毀廃・毀薄・毀誹・毀病・毀泯・毀服・毀謗・毀滅・毀誉・毀容・毀爛・毀裂
[下接語]
盈毀・壊毀・棄毀・咎毀・毀・傾毀・減毀・柴毀・猜毀・残毀・讒毀・疵毀・毀・笑毀・銷毀・浸毀・譖毀・盛毀・憎毀・毀・短毀・詆毀・撤毀・蠹毀・破毀・排毀・敗毀・非毀・誹毀・崩毀・謗毀・淪毀

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