民報(中国同盟会の機関誌)(読み)みんぽう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

民報(中国同盟会の機関誌)
みんぽう

中国、清(しん)末の中国同盟会の機関誌。1905年11月、日本の東京で創刊。月刊。毎号120~180ページ、発行部数は4~5万部。8年冬、日本政府の命令により停刊となり、10年初めにさらに2号分を秘密出版して終刊となった。全部で26号。別に『天討』などの臨時増刊がある。おもな執筆者は、胡漢民(こかんみん)、汪兆銘(おうちょうめい)、陳天華(ちんてんか)、朱執信(しゅしっしん)、宋教仁(そうきょうじん)、章炳麟(しょうへいりん)ら。孫文が有名な三民主義を初めて発表したのも、この創刊号においてであった。『民報』は民主共和の思想を宣伝する革命派の機関誌として大きな影響をもち、留学生、華僑(かきょう)に広く読まれただけでなく、中国内地にも盛んに密輸入された。また、康有為(こうゆうい)、梁啓超(りょうけいちょう)らの改良派が発行する『新民叢報(そうほう)』と激烈な論戦を戦わすことによって革命の主導権を奪うことに成功した。

[倉橋正直]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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