民工潮(読み)みんこうちょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民工潮」の意味・わかりやすい解説

民工潮
みんこうちょう

中国の農村地帯から広州上海福州など沿岸部の大都市に向かう出稼ぎ農民の大移動をいう。出稼ぎ農民は 1980年代後半から盛んになり,当初は無秩序な都市への流入は「盲流」と呼ばれたが,ここ数年は改革・開放路線による経済発展に伴う必然的な現象として定着し,呼び方も民工潮と変った。劉江農相は 94年3月,93年の出稼ぎ農民は 5000万人に達し,うち 2000万人が省を越えて移動したと明らかにした。背景には,生産効率を重視するようになった農村での余剰労働力の増加と,拡大する一方の都市と農村の収入格差がある。これまで余剰労働力は農村の小規模企業での吸収がはかられてきたが追い付かず,約1億 2000万人に達していると推定される。

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