民撰議院(読み)みんせんぎいん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民撰議院」の意味・わかりやすい解説

民撰議院
みんせんぎいん

国民から選挙された議員によって構成される議院。神授権の原理にたつ絶対君主の統治手段であった官僚制に対して,市民階級により,国民主権原理に基づく政治手段として主張され獲得されるにいたった政治機関。日本では,1874年前参議板垣退助,副島種臣後藤象二郎,江藤新平らが明治政府を少数の藩閥有司による専制であると非難し,これを是正するため,民撰議院すなわち国会を開設すべきことを主張し,民撰議院設立建白書を提出,初めて国会開設が政治的争点として浮上した。 89年大日本帝国憲法に基づいて衆議院が設置されたが,その機能は制限され,選挙権も直接国税 15円以上を納付している 25歳以上の男子に限定された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android