気体の液化(読み)きたいのえきか(英語表記)liquefaction of gas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気体の液化」の意味・わかりやすい解説

気体の液化
きたいのえきか
liquefaction of gas

臨界温度以下に冷却された気体は,適当な圧力を加えれば液化する。臨界温度の著しく低い気体は液化しにくいが,断熱膨張ジュール=トムソン効果を利用すれば可能である。 1877年に L.カイユテは酸素窒素,空気の液化を,98年に J.デューア水素の液化を実現した。ヘリウムは臨界温度が低く (-267.9℃) ,一時は永久気体と呼ばれたこともあったが,1908年 H.カマーリング・オネスによって液化に成功した。その後,液化技術が進歩し,現在では市販の装置を使って簡単に液化できるようになった。大量の気体を運ぶよりも液化して運んだほうが運送費が安い場合もあり,多くの気体が液化されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android