気管(気管支)食道瘻

内科学 第10版 「気管(気管支)食道瘻」の解説

気管(気管支)食道瘻(発育異常・形成不全)

(3)気管(気管支)食道瘻
概念
 気管気管支および食道はいずれも前腸から発生し,その過程で閉塞や交通が生じる.本症は気管と食道の交通形態で5型に分類されるが(図7-18-2),A型は食道閉塞のみで気管との交通はなく本来の気管食道瘻ではない.
臨床所見
 食道が閉塞し拡張,盲端となるタイプでは,咽頭分泌物やミルクを飲むことができず誤嚥を生じ,咳や肺炎の原因となり,これらの異常は新生児期に必ず見つかる(A〜D型).E型の場合は,誤嚥や肺炎を小児期に繰り返し早期に見つかるものもあるが,逆流や誤嚥といった症状を欠き成人に至るまで診断されない例もある.
診断・治療
 新生児で肺炎を繰り返して生じた際に,食道カテーテルや水溶性造影剤での気管と食道の交通で診断される.診断後は瘻孔閉鎖と必要があれば食道の再建を行う.[久良木隆繁・礒部 威]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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